美味しいコーヒーを淹れる技術を持つ者はバリスタと呼ばれる。
だが、美味しい紅茶を淹れる技術を持つ者の呼称は無い。
「美味しい紅茶を淹れるための確固たる技術」というものは、実は存在しないのである。
ゆえに、いくつかの前提条件を守るだけで、紅茶はどんな素人にでも美味しく淹れることができるものだ。
大切な7つの条件を以下にまとめる。
目次
- 1.より高品質の茶葉を選ぶ
- 2.常に同じティースプーンを使う
- 3.ティーポットを温めておく
- 4.新鮮な水を使う
- 5.紅茶に最適な水を使う
- 6.味見をする
- 7.最後の一滴まで注ぐ
1.より高品質の茶葉を選ぶ
紅茶を美味しく淹れるための最も重要な前提条件は、より良い茶葉を選ぶことである。
高品質の茶葉を見極めることは難しいが、手に入れるのは簡単である。
より値段の高い茶葉を選ぶことだ。
低品質の茶葉を、美味しく淹れる方法など存在しない。
紅茶には「高品質の茶葉を美味しく淹れるための条件」があるのみだ。
2.常に同じティースプーンを使う(もしくは計量する)
常に同じティースプーンで茶葉を量ることで最適な量が分かるようになる。
もしくは、小数第二の単位で必ず計量すればよい。
なお筆者は常に携帯スケールとパラピンを持ち運んで計量している。
なお、水170cc(ティーカップ一杯分)に対して茶葉4gが最も一般的な割合である。
3.ティーポットを温めておく
紅茶の多くの種類は、出来る限りの高温で淹れることが望ましい。
ポットは湯の熱を奪いやすいため、あらかじめ熱湯を入れて温めておくことが欠かせない。
4.新鮮な水を使い、沸騰させすぎない
やかんに残っていた水や、ケトルに入れっぱなしの水を紅茶に使うべきでない。
それらの水は何度も沸騰が繰り返され、空気が抜けている。
それらはポットを温めるのに使用して、紅茶を淹れるのには新たな水を汲むのがよい。
水に空気が含まれていることでジャンピングが起こりやすくなるのだ。
5.紅茶に最適な水を使う
水に含まれる成分によっては、紅茶の味や見た目が誰にでも分かるほどに大きく変わってしまう。
紅茶の種類によって多少の差こそあれ、紅茶全般に硬水はまず向いていないので使用すべきでない。
軟水を使えばどんな紅茶でも一先ず味がよく出るので、軟水を薦める。
日本の水道水は一部地域を除いて軟水であるから、日本国内であれば水道水をそのまま使って問題ない。
6.味見をする
伝統的な淹れ方に味見をするというものは無いが、美味しい紅茶のためには味見をしてもよい。
どんな料理でも途中で味見をする通り、紅茶も蒸らしの途中で味見をする。
好みの味は人によって異なるため、必ずしも定められた時間で紅茶を抽出するよりも、自分の好みの抽出時間を見つけるべきである。
また、お菓子や料理に合わせて紅茶の種類を変えるのと同じように、蒸らし時間も変えるのがよい。
さらには、ストレートの時には短くしたり、ミルクティーにする時は長くするなど、紅茶の用途によって蒸らし時間を変えるとなおよい。
その味の違いを見極めるために、味見が欠かせない。
7.最後の一滴まで注ぐ
紅茶の最後の一滴はゴールデンドロップと呼び、紅茶の中で最も美味しい部分と言われる。
実際には最後の一滴は最も味が濃く渋みの強い部分であり、良くも悪くも味があると言うべきである。
いずれにせよ最後までしっかり注いで損は無い。
以上の条件を満たせば、どんな素人でもすぐに美味しい紅茶を淹れることができる。
紅茶はコーヒーほど難しく考える必要がない。
もっとシンプルに、楽しむことを最優先に考えてよい。
上記の簡単な手順を早速試してもらいたい。