元論文教師が文章の構成・論文の書き方を最大限シンプルに解説する

何気なく書いた「文章・論文が書けない人の特徴」という記事の反響の大きさに驚いた。

文章が書けないと悩む人がこれほど多いなら、文章が書けない人の特徴を挙げるばかりでなく、「文章の書き方や構成」についても記事にすべきだと考えた。

今回は「文章を構成する方法・論文を書く方法」についてまとめた。

目次

1.構成する

人に伝わる文章を書くために必要な要素を紹介する。

・シンプルで明確な結論がある

・その結論を導き出すための根拠が最低2つはある

・結論に対する正確な問いがある

これが最も重要な3つの要素である。

それぞれの作り方を以下に提示する。

1.結論を考える

全ての論文は結論から組み立て始める。

意外なことかもしれないが、良い論文を作るためには結論から組み立てる必要がある。

これは「問いと結論のねじれ(後述)」を引き起こさないための最良の方法である。

美味しいチャーハンを作る方法を伝えたい場合、まずは美味しく作る方法の結論をまとめる。

結論は「鉄なべを使い、味付けにうま味調味料を用いると美味しいチャーハンが出来る」である。

問い:
根拠1:
根拠2:
結論:鉄なべを使い、味付けにうま味調味料を用いると美味しいチャーハンが出来る

2.根拠を立てる

根拠は最低限2つ、出来るなら3つ提示するのがよい。

美味しいチャーハンの根拠は

・鉄なべを使うと料理が美味しくなる

・うま味調味料を入れると料理が美味しくなる

の二つである。

問い:
根拠1:鉄なべを使うと料理が美味しくなる
根拠2:うま味調味料を入れると料理が美味しくなる
結論:鉄なべを使い、味付けにうま味調味料を用いると美味しいチャーハンが出来る

なお、これら根拠の解説がそれぞれ必要になるが、根拠の解説にも全く同じ構成が使える。

「鉄なべを使うと料理が美味しくなる」という「根拠」を「結論」に置き換え、その根拠を示し、これに対する問いを打ち出せばよい。

例↓

問い:なぜ鉄鍋を使うと美味しい?
根拠1:鉄は熱伝導率が良く、食材に素早く火が通りやすい
根拠2:保温性が高く、食材を入れても熱が逃げない
結論:鉄なべを使うと料理が美味しくなる

3.問いを打ち出す

問いは常に最後に打ち出すのがよい。

これは問いと結論のねじれを防ぎ、同時に論文の内容をしっかりと捉えた「より良い問い」を作るためだ。

最初に問いを設定しても、それにピッタリと合わない結論が出てしまうことがよくある。

初めに結論と根拠を設定して、そのうえで結論に対する正確な問いを打ち出せば、ねじれ問題は起こらない。

「美味しいチャーハンの作り方」という論文の構成は以下となる。

問い:美味しいチャーハンを作るには、どのような道具・材料を使えばよいか?
根拠1:鉄なべを使うと料理が美味しくなる
根拠2:うま味調味料を入れると料理が美味しくなる
結論:鉄なべを使い、味付けにうま味調味料を用いると美味しいチャーハンが出来る

もし最初に「美味しいチャーハンを作るにはどうすればよいか?」という問いを設定してしまうと、この問いからは論文の内容が具体的に見えてこない。

しかし結論と根拠を設定したうえで問いを考えると「どのような道具・材料を使えばよいか?」と、より具体的で、論文の内容をしっかりと捉えた問いを打ち出すことが出来る。

「構成する」のまとめ

1.最初に大雑把な問いかけから「明確な結論」を出す。

2.「根拠」を一通り示す。

3.「明確な結論」に対する「明確な問い」を改めて考え直す。

2.論文を書く

納得がいくまで構成を練ってから書き始めることで、論文がすらすらと書けるようになる。

構成は「結論→根拠→問い」の順で作ったが、書く時は順序が逆になる。

書き方にはそれぞれ「ちょっとしたコツ」があるので解説していく。

1.問いを書く

問いは「抽象的な問い」と「具体的な問い」の二重にすると、読者をより強くつかむことが出来る。

上記の美味しいチャーハンで例を挙げる。

抽象的な問い:美味しいチャーハンを作るにはどうすればよいか?
具体的な問い:どのような道具・材料を使えばよいか?

以上の二つの問いに肉付けして、以下のように論文の導入部分にする。

家でも中華料理店のような美味しいチャーハンが食べたい、素人の自分でも作れる方法はないだろうか?
美味しい料理を作るには当然、技術が欠かせないだろう。しかし素人がいきなりプロのような技術を身に付けることは難しい。そこで今回は、素人でもすぐに真似できる、道具や材料に焦点を合わせて考えてみよう。プロの料理人はどのような道具・材料を使って美味しいチャーハンを作っているのだろうか。

2.根拠を書く

構成で考えた通りの根拠を書いていく。

根拠もまた「問い・根拠・結論」の形で示すことができ、根拠を示すための根拠もまた、さらに「問い・根拠・結論」で説明することが出来る。

それぞれの根拠をより深く掘り下げていくことで、論文の文字数を底なしに増やすことが出来る。

ただし根拠を掘り下げれば掘り下げるほどに具体的な話に繋がり、より専門的な知識が必要になる。

3.結論を書く

結論も二重にすることによって、自然な幕引きを演出できる。

ただし問いとは逆で、「具体的な結論」から「抽象的な結論」へ帰結する。

先に考えた「抽象的な問い」に対して、それを捉えた「抽象的な結論」を打ち出すのがよい。

具体的な結論:鉄なべを使い、味付けにうま味調味料を用いると美味しいチャーハンが出来る
抽象的な結論:プロを参考にして道具や調味料などに少しの変更を加えるだけで、より美味しいチャーハンを作ることが出来る

これに肉付けし、以下のように論文の導出部分にする。

道具に鉄なべを使ったり、味付けにうま味調味料を用いることでチャーハンの味が大幅に改良された。
料理には技術が欠かせないが、使う道具や調味料の僅かな違いでも味には大きな差が生まれることが分かった。技術が無いことを悔やむ前に、プロのやっているどんな些細なことでも真似してみるのがいいだろう。その後の努力次第では技術も身に付けられるかもしれない。今後はどんなことでも、自分には出来ないと諦めるのではなく、まずはすぐに工夫できることがないか探してみたい。

論文の最後は、導き出した結論をより大きな話に繋げて終わることが多い。

いささか大風呂敷を広げるようになるが、それでよい。

まとめ

論文は「抽象的な問い」に始まり、話が進むほどに具体的な内容となり、最後には再び「抽象的な結論」へと帰結していく。

3.伝わりやすい文章を書く

以上には論文の書き方を解説した。

以下では論文に限らず、より多くの文章に応用できる「伝わる文章の書き方」についてまとめる。

1.先に結論を書く

読む人に内容を伝えたければ、最初に結論を書くべきである。

結論を書く前に根拠を並べ立て、最後にもったいぶった結論を見せるのは論文だけで十分だ。

いつまでも結論を出さない文章は読み手をイラつかせる。

結論を先に書くことで、読者は安心してその先の解説を読むことが出来る。

この手法はスピーチに用いても絶大な効果を発揮する。

2.一文を短くする

一文を常に50文字以内に抑えるのが最良である。

人間は長たらしい文を理解できない。

長くなってしまった文は、二文か三文に解体するとよい。

3.接続語を使わずに書く

出来る限り接続語を使わずに文章を書くべきである。

接続語とは「そして」「そこで」「続いて」「だから」「さらに」「しかも」「結局」「つまり」「ゆえに」「すなわち」「もちろん」「当然」などである。

作文の下手な人は不要な接続語をこれでもかと多用する。

特に「そして」という接続語は、必要が無いのに挿入されることが非常に多い。

これは文章が読みにくくなる原因である。

「しかし」「ただし」「もし」などの必要最低限の接続語のみを使うよう意識するのがよい。

以上である。

少しでも参考になることを願う。

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