バックレは無責任ではない。
その事実をはっきりと伝えたい。
100%、マネジメントに問題アリ。
仕事をバックレるのは無責任ではない。
日本人は責任を背負うのが好きである。
だから常に「辞めたら迷惑がかかるのではないか」「急に辞めるのは無責任かも」などと余計なことを考える。
バックレに全く責任が生じないわけではない。
誰かがバックレたところの責任を取る(穴埋めをする)ことにはなる。
しかしこの責任はバックレた本人が負うのでなく、マネージャーが負うべきものである。
雇い主側のマネジメントに問題があるのだ。
マネジメントとは、組織存続に必要なあらゆるものの管理を行うことである。
会社の中で社員ひとりひとりの管理をしているのも、そのマネジメントをしている人(つまりマネージャー)である。
日本でもっと馴染みのある言葉にすれば管理職となる。
店長や部長などと呼ばれる人たちが、それにあたる。
社員のバックレは無論、マネージャーの責任である。
理由は明快だ。
社員に「辞めたい」と思わせないように、環境や待遇などの管理をするのがマネージャーの仕事だからである。
もしあなたの上司が「仕事を辞めるのは無責任だ」ということを日頃から部下たちに言い付けていたとして、それもマネジメント術の一つである。
本来マネージャーが負うべき責任感を部下たちに押し付けることで、辞めたくても辞められないようにする、という卑怯なマネジメント術だ。
しかしそれでもあなたが「どうしても辞めたい」と思うなら、それはマネジメントの失敗である。
マネージャーは仕事をしくじっている。
あなたはそのことでマネージャーを問い詰めていい。
まして「辞めたいのに辞めさせてくれない」など以ての外である。
それは犯罪と言っても差し支えない。
その上司はパワーハラスメント等で訴えれば勝てる可能性があるので、会話のやり取りをボイスレコーダーやスマホのボイスメモで録音しておくとよい。
後で役に立つかもしれない。
「この程度の仕事も頑張れなかったら他に行ってもどうにもならないよ」のような脅しも、所詮は卑怯なマネジメント術の一つに過ぎない。
部下を「辞めたくても辞められない状態」に陥れれば、マネージャーは仕事が減って楽になる。
部下がいくら嫌な思いをしても、ろくに管理しなくても、辞められずに済むからである。
卑怯ではあるが、それもマネジメントの一つの方法である。
これらから抜け出すには、バックレてでも仕事を辞めるほかない。

以上について暴論だと言う者もいるが、それは「嫌なことがあって辞めるのは甘えだ」「逃げだ」などと無根拠の支離滅裂な思想を抱いている愚か者の戯言に過ぎない。
嫌なことから常に離れようとするのは当然のことである。
もし仮にそれが逃げであったとしても、逃げることを遠慮する必要はない。
生き物にとって大切な行動であるはずの逃げが何故か許されないことがよくあるが、それは日本人の悪い癖であるから気にしなくてよい。
遠慮は要らない。
まして人の許可などなおさら要らない。
辞めたい時に辞めるべきである。
しかし人間は一応「社会的な生き物」である
ここまでは完全にバックレ肯定派である。
肯定派どころか推進派である。
しかし上記の内容には、少し補足すべきことがある。
逃げることも大切、という言葉に間違いはない。
ただ人間には他の動物と区別されるべき点がある。
高度に社会的、という点である。
人間は社会性の生き物であるから「他の社会的でない動物たちと全く同じ振る舞いをしても良いか?」と問われれば、その全てにYesで答えることは出来ない。
逃げることについても同じことが言える。
逃げること自体には全く問題がない。
人から咎められるべきことではなく、また、無責任なことでもない。
しかし何も言わずに逃げるバックレだけは、少しだけ、本当に少しだけだが無責任さがある。
人間としての能力「社会性」をいくらか放棄しているからである。
社会性を保ちつつ逃げるためには、「辞める」「もう来ません」という最低限の意思表示と、相手にそれが伝わっているという事実が欠かせない。
バックレ(言い換えると「無断欠勤・無断退職」)には、無断という言葉からも分かる通り、その意思表示(断り)が無い。
バックレについて唯一の問題点を挙げるとすれば、そこである。
なお「辞めます」と断りを入れた後に、それに対して上司が「ダメです」と止める権利は無い。
辞表などによって「辞める」ということを予告した場合、原則として2週間後には辞めることが出来る、と法律で定められている。
その他、会社の就業規則など(辞職の際は一ヶ月前までに申し出よ。など)に則って強硬辞職する分には、裁判を起こされる可能性は非常に考えにくく、また、裁判になっても負けることは非常に考えにくい。
つまり、辞めることをハッキリと宣言したのちに、認められずともバックレればよい。
認められる必要が無いのだから。
さあ、仕事を辞めよう。