旅しながら生きる、の現実

「旅しながら生きる」と言えば聞こえはいいが、その現実を人びとは知らない。

実際にそれをやっている今、分かったことを伝えて、旅に憧れを抱く人たちに伝えることにする。

始めに断っておくと、よくある「ノマド」とか「フリーランス」とか、そんなのは全部幻想だから現実を見る覚悟をしてほしい。


基本は「バイトと旅」を交互に繰り返し

多くの旅の者は「バイト」と「移動(遊びを含む)」の繰り返しである。

金のあるうちは遊んで、金がなくなれば働く。

旅の者に計画的な人間はいないから、みんなその日暮らし。

冬の間がっつり働いて、夏の間ずっと遊びほうける、というのも一つのテンプレート。

夏に働く奴もたくさんいる。(なにせ農業系の仕事があふれ返っているから)

冬なら冬でみかんバイトとかあるし、旅館の冬季閉鎖期間の守とかもある。

ちょっと珍しい、面白いバイトは地域ごとに結構あるものだが、そこで働くためにはその地域のコネが要る。

僕が今までに見聞きしたり、実際に誘われたことがあるのは

・パラグライダー

・ドローン

・美術館

・選挙の集計

などだ。


仕事に困ることは、絶対に無い

仕事が無くて金に困ることは100%あり得ない。

日本はどこへ行っても人手不足だ。

6月に山形県のその辺の農家に「仕事くれ」と言えば、すぐにサクランボ収穫に駆り出される。

夏に北海道内の農協へ行けば「手を貸してもらえませんか?」と向こうから切り出してくる。

その辺のホテルや旅館の受付に行って「働きたい」と言えば、ただちに制服を用意してもらえるだろう。

そんなことある?と思うかもしれないが、僕自身が実際に何度か経験していることだ。


なんか胡散臭えやつがいる

旅してる奴はフリーランスとかノマドワーカー(?)的なものに憧れがち。

軽い気持ちでブログとか始めてすぐにやめがち。

ただのクソ無職のくせに、ツイッターの自己紹介欄とかに胡散臭い「実績」みたいなの載せがち。

そういう連中は軒並みチンケなペテン師なので、絶対に騙されてはいけない。

でもまあリアルで会ってみると普通に良い人だったりとかする。

良い人にノマドワーカーなんか勤まらないけど。


マジでノマドやってる人もいる

話をひっくり返すことになるが、実際にノマドワーカーで旅してる人もいる。

一人だけ面識がある。

SE(システムエンジニア)として会社員をしているが、ほぼ全く出勤せずに世界中を旅しているノマドワーカー。

彼は、会社の上司に「出勤せずに旅しながら働いてもいいですか?」と直談判して許可を得たらしい。

極めて稀な例だ。


旅しながら少額を稼ぐ人はそこそこいる

自分の特技を活かして少額を稼ぐ旅人は、そこそこいる。

面識ある人の中では

・筆と色紙を持ち歩いて、駅前などで座り込んで一筆書く

・楽器を持ち歩いて、駅前などで演奏する

・写真を撮ってプリントし、商店街や観光名所、駅前などで販売する

などがよくあるパターンであり、結構練習すれば出来るようになる可能性がある。

写真なんかは旅していれば綺麗なものがいくらでも撮れるから、一番始めやすい。

ただし警察などに止められて引き揚げることもしばしばある。


個性的じゃないと生きていけない

人間は環境の変化に弱い。

常に環境が変わり続ける「旅」という生活では、どこにいても自分が自分らしく居られる人間じゃないと精神的に持たない。

だから全ての旅人は、どこにいても我が家にいる時と同じように自分の趣味を全うし、自分のやるべきことをやって、自分らしく過ごしている。

「旅行」なら、羽を伸ばすための「普段とは違う生活」が欠かせない。

それとは反対に、「旅」には「揺るぎない日常」が必要なのだ。


所詮ただの放蕩者

色んな人に出会うとか、いろんな経験を積むとか、自分探しだとか、どんな理由をつけたって世間から見れば所詮はただの放蕩者。

遊んでいるだけにしか見えない。

旅先の見知らぬ街で入った居酒屋で夜な夜な、隣の席に座った大人から説教を受けることもある。(僕は受けました)

旅を続けていれば「社会から逃げているだけ」「働きたくないだけ」と言われることもあるだろう。

それが気になるくらいなら、旅なんかしない方がいい。

僕は周囲の大人から何を言われようが、酔っ払いのジジイから説教を受けようが、この生活をやめない。


孤独

旅のお供は「孤独」だ。

どこへ行って誰と出会っても、どれほど仲良くなっても、ついには別れの日がやってくる。

再びたった一人で走り出さねばならない。

自分は孤独なのだと分かる。

しかし、孤独だからこそ、仲間を作ろうという意欲が湧き、再会しようと努力も出来る。


楽しい

旅に出る前、誰もが漠然とした不安にさいなまれる。

しかし一度旅に出てしまえば、くだらない不安なんか一切吹き飛んで、楽しくて仕方がない。

やめられなくなる。

やめられないから逆に危険。

はまり込んで何年も旅してる奴もいる。

蜂の宿みたいなヤバい宿(沈没宿)にドハマりして、人生設計を思いきり狂わされる人も大勢いる。

しかし、人生設計が狂ったおかげで楽しく生きている、という人の方が多いことにはもっと注目していいかもしれない。


理想と現実には大きな差があるが、失望しなくてもいいと思う。

期待通りにいかなくて失望することもあるだろう。

だが現実には、期待以上のセレンディピティに歓喜することの方が圧倒的に多い。

まず肝心なのは、飛び出す勇気である。

健闘を祈っている。

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